東京都現代美術館で開催中のピクサー展に行ってきた。
現代美術館の最寄駅は大江戸線の清澄白河駅で、自宅最寄の麻布十番駅から大体20分くらいだった。幼いころからピクサー作品にふれてきたので、すごく楽しみでした。
もともとピクサー作品の中でもトイストーリーとモンスターズインクが大好きで、今でもテレビで再放送があったら必ずテレビ前で待機するぐらい好き。もちろん初めて映画を見た時にもストーリーや映像美に引き込まれて感動したけど、オトナになった今改めて見ると昔と感じ方が違っててそれも面白い。作品が伝える優しさとか生き方が心を軽くしてくれて、自分まで自然と前向きにしてくれる不思議なエネルギーを持ってる気がする。
ピクサー展ではそんなピクサー作品の制作過程を知ることができるアートワークが約500点も展示されているという!
展示物を見て周りながら、映画というより世界そのものを作ってるんだな、とぼんやり考えてた。
映画だけに限らず、コンテンツ制作ってたとえ観客に見えないところでもどれだけ細部まで作り込むか、納得できるまでこだわるかが大切であることを技術的な視点というより作品との向き合い方、仕事に対する姿勢という意味でまざまざと見せられた。
映画のシーンを作るにはキャラクターデザイン→カラーリング→ストーリーボード→・・・とかなりアナログな制作過程を辿って少しずつ作るとのこと。この過程も一方通行でスムーズに進行することなんてほとんどなくて、作ってはやり直しての試行錯誤を繰り返してるんでしょうね。この制作過程の中でも特に驚いたのがキャラクターデザイン。
モンスターズインクの構想段階として展示されていたブーとサリーのデザインは完成版のものと全くの別ものでした。ブーは髪の毛ぐしゃぐしゃで荒っぽい女の子だし、サリーの体毛はカラフルすぎる配色デザインですごい違和感…!今それらを見ると明らかな違和感を感じるけど、それは完成版のデザインがあってのもので、作っては壊しの工程をどれだけ繰り返したんだろう…と気が遠くなる。架空のキャラクターを作品の世界観に合うデザインに作り上げる苦労は果てしないでしょうね…
あと凄かったのがトイストーリーの立体ゾードロープの展示。ギリシャ語で「生命の輪」という意味のゾードロープは例えればパラパラ漫画のようなもので、ジブリ美術館にあるトトロの立体ゾードロープに感銘を受けて制作されたらしい。目の前で見てみると本当にキャラクターが躍動感溢れた動きをするので心躍ります。どんなものか下の動画の1:10あたりから見れば雰囲気は分かる!はず!でも生で見てほしいなぁ。
月並みだけどやっぱり映画ってすごい、って思った。完成した映画は大勢による想像もつかないぐらいの試行錯誤を続けた集大成であることを改めて実感して「よくそこまで頑張れるな…」と正直思ってしまいますが、映画が完成して、お客さんがそれを見て涙しているのを見てしまったら、制作陣の途方もなかった苦労も多分チャラになるんだろうな。
とても良い展覧会でした。業界問わず、コンテンツの制作に携わっている人は是非行ってみることをオススメします。背すじが伸びること間違いなしです。